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BuriareosuのMILU日記
タイトル   おすすめ(3) 2012-02-03 09:34:39

~ 妹 ~

 

私には10歳以前の記憶が無い。

私の幼少の記憶は、忽然と10歳の時から、

妹の耳が不自由になったときから始まる。

 

 「藤原ノリカさんが30歳を向えましたねぇ~」

 

 「アンちゃんももうじきだね」

 

 「私はまだ何年も先ですよぉ~」

 

 「嘘~そうだっけぇ~」

 

 私がブリなので妹は「サワラ」とでもしておこう。

 

 幼少の時、とても簡単な誰もがかかる「伝染病」がもとで

 聴覚を失った。

 

 私が「セラピスト」の仕事をしているのはこの子のおかげでもある。

 

 母親も聴覚障害者であった為、父の不在中に起きた妹の異変に

 気付くのが遅れてしまう。母はこの後、随分と自分を責めた。

 しかし、妹は一度も障害を人のせいにしなかった。

 

 聴覚を失ったサワに付き添い通った病院に、言語に力を入れた

 治療を行なってくれるドクターがいた。

 

 今、思えば、妹の行う辛く切なく悲しい繰り返しの訓練は、

 幼い私に眩しく映った。妹が羨ましくさえ思えたモノだ。

 

 ここで妹は多くの言葉を理解し知能障害を起こす事も無く、

 手話とドクワをマスターし健常者の中で無事に育っていった。

 

 幼少の頃。

 

   「アンちゃん・・・・私の耳は治るの・・・・」

 

 私は馬鹿だった。

 

   「アンちゃんが治してやる! だから、辛いときや悲しいときは全部

    言うんだぞ! 俺がずっとそばにいるから 」

  

   「絶対・・・約束してくれる?・・・・そばにいてくれる・・・」

 

 あの頃の約束を妹は覚えているだろうか。

 

 春の終わる頃、妹は無事に「婚約」をすませた。

 相手の男性は「サワ」の事を良く理解した人である。

 

 結婚後は山梨で暮らす事になるらしい。

 私の住まいとは少々距離がある。

 私は肩の似が降りる。

 ・・・・

 

   「約束守れませんでしたね。・・・」

 

   「え?」

 

   「幸せになるのですよ。」

 

   「人の事言えないでしょ」

 

   「素直じゃ無いですねぇ」

 

   「アンちゃんこそ、早く幸せ見つけなさいって、言ってるのよ。

    私には判らないけど、話し方、アホ丁寧なんだって?」

 

   「う・・・・・」

 

   「山梨行っちゃうんだからね。誰も、アンちゃんの事

    見て上げられないのよ。」

 

   「へ・・・上げるって・・あんた・・」(この沈黙の手話は難しい)

   「……」

 

   「まいりましたね。・・・・私も山梨に付いて行きましょうかね。」

 

   「ダメでしょ! アンちゃんには、沢山の生徒さんいるでしょ!

    苦しんでいる人達が、皆アンちゃんを頼りにしてるでしょ! 」

 

   「それは矛盾していませんか?幸せをみつけろと、言ってましたよ。」

 

   「いつも、私のそばにいてくれたでしょ。・・・私はもう大丈夫! 」

 

 恐らく、幼少の頃の約束を妹は覚えているに違いない。

 

 「私が治してあげる」と言う意味よりも

 

 「そばにいてあげる」

 

 という言葉の意味を大事にしながら。

                                  ブリアレオス
カテゴリ:その他 > その他
コメント(2)
2012-02-03 14:59:32  
妹さんも ブリさんも 固い絆で結ばれてて
素敵な御兄弟ですね・・。 
妹さんのご婚約おめでとうございます 幸せになってください!
次はブリ君ですね・・^^
ベルいちご 2012-02-04 19:15:23  
素敵なご家族ですね^^
心がとても綺麗なんだと、読んでてわかりました。
傍にいてくれること、居られることを大事にしたいです^^
妹さんの幸せとブリオさんの幸せを願っています♪
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