ぼくは何気なく釣りをしてたんだ。
そう、いつものように独りでね。
でもその日はなかなか魚が釣れず、見たいテレビも始まっちゃうから
あきらめて終了ボタンを押そうとしたとき。
そのときなんだ。突然浮きが動き出した。
待ちに待った、魚がかかったんだ!そうに違いない!!
いったいどんな魚なんだろう。僕の気持ちは高ぶった。
アダルトサイトで「もっと見たい人はこちら」の[ENTER]ボタンを押すときのようにドキドキだった。
でも、かかったのは小さい魚だった。
貧乏なヒロトでも捨ててしまおうと思うくらいの小ささだった。
まるで、[ENTER]ボタンを押した先が、クレジットカード番号の入力画面だった時のようにがっかりしたよ。
ぼくはショックでテレビのことも一瞬忘れてしまい、竿をまた川に投げ入れたんだ。
そしたら、続けて浮きが動き出したんだ。
「ぐぉおおおおお!!」という奇声を上げながら、その魚は
僕に近づいてきた。
その魚。。。いや魚とは言えない。。もはや異次元の生物だ。
その異次元の生物は、僕が投げ入れたエサに喰らいついた。
そして、僕と目が合った!
(つづく)