昨日のこと。
いつもの散髪屋が盆休みをとっていたので、家人の紹介でしぶしぶ美容院へカットしに行ったのです。
しぶしぶというのは、美容院にはいい思い出がないからなのです。
カットしてくれた人は、珍しい名字の人でした。
「この辺にはいない名前ですねぇ」と言うと、
「そうでしょう。あははは。でも日本人なんですよ、ふふふ。
名字も珍しいけど、聞き取りにくいって言われるんですよ。
予約とかの電話が最悪で、何度も聞き返されて間違われてばかり、ははは。だから、スタッフの田中ちゃんの名前をかたってます、最近は。へへへ。田中です、なら誰も間違えないでしょう?このまえも、ああたらこうたら、しかじかうんぬん・・・・・。
でも名前は普通すぎるんですよ。
父親が栗原小巻のファンでそのまんま小巻。ねぇ、普通すぎるでしょ?
名字がおかしいから、まあバランスとれてるかな?と今になって思うんですけどね、あはは」
合いの手もいれないのに、一気にまくしたててくれました。
小巻のどこが普通すぎるのか?
「べっぴんの名前もらって、良かったじゃないですか?」
言うんじゃなかった。
「それがねぇ、んふふ。小さいころは良かったんですよ。中学生になり、高校生になり、比較するとみじめになったりもしますよ。お客さん、どう思います?有名人と同じ名前。私はねぇ、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
まあ、今となれば、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
とにかく凄い!
口下手なら半日以上もかかりそうな自分史を、ほんの20分ほど完了です!
「今はお客さんも少なくて、喋りたくて」
そんな問題か?
私はずっと髪結いの亭主の意味は、手に職つけた嫁のことだと思っていました。
いやいや、こんだけ口が回ればなんでもできますな。男一人養うのなんて朝飯前。
私が以前行っていた美容院も凄かったのです。
まだ若いころ、一度間違って入ったのが運のつきで、2年ほども通わされました。
なんだかんだ理由をつけて割り引いてくれる店長さんだったので我慢したのです。
最初は店長じきじきにカットしてくれました。
言葉が関西弁だったので、私とは気が合い話も弾んだのです。
しかし、次に行くと、きっついおばちゃん(当時30過ぎ)が勝手に私の担当になっているじゃありませんか!
「髪は洗っているようだけど、シャンプーは何つかってるの?」
「いや、石鹸でごしごし」
「呆れた!あんたねぇ、もっと大事にしないと!」
くどくどくどくど、説教が続きます。
「ザクッと刈り上げて、柴犬のようなじょりじょりになればいいから、気にせんでください」
「だめ!この子は何が何でも格好よくする!」
小動物のように、助けて求めて店長を見るも、笑いをかみ殺しているだけ。万事休すです。
終わった後も、髪の手入れの仕方を10分程も聞かされ、
「そしたら、1か月後ね。予約入れとくから」
「いやいや、これませんて」
「来なさい!」
絶対に二度と来るもんかと思いながら、適当に返事して逃げ帰ったのです。
しかし、そこは最寄駅の近く。
思い出したら腹が立ってきたのではっきりと書きますが、西武新宿線野方駅の駅前。
うっかり歩いていると、捕まえに来よるんです。
スナックの豪傑ばあさんより恐かった。
面と向かって言えんから、ここで。
「アホー!なんでカットだけでわしだけ1時間もかかるんじゃ!!針の筵やったぞ!髪の毛ごときで説教するな!他のお客さん、大爆笑やないか」
という理由で、引っ越して以来ずっと美容院は避けていたのです。
時も経ち、さすがに説教される年齢でもなくなりました。
が、パーマ屋のおばちゃんの達者な口は今も健在ですな。