川辺の代理人
(あらすじ)
以前、男(川辺)は娘に成り代わり、
女(ひとみ)の同情を誘う。しかし徒労に終わる。
今度は自分の友人に成りすまし、
脅しにも近いメールで再度(ひとみ)の説得を試みる。
第七話にて新登場;
(ベン君)可愛がっていたペット犬(死亡)
(自称、友人)川辺の代理人と名のる男
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(6月5日朝)
★(また川辺本人からメールが来た)
ありがとう、ありがとう!
ありがとう、ありがとう!
日本海って綺麗な海だよね。
まだ人もあまりいないし...
ひとみの心を傷付けてごめん。
俺みたいなやつはこの世にいないほうが良い。
この辺の海岸は一度沖に流されたら戻ってこないんだって、
ベン君のお墓やっぱりわからなかった...
ごめん(泣)(泣)
体調が良くなる事を祈って……
永遠のさよなら....
(6月5日昼)
★(暫くして、川辺の友人らしき人からメールが届く)
上岡ひとみさんだったかな?
体調はいかがですか?
川辺君が今どうなってるか分かるかな?
今となっては知りたくも無いと思いますが…
私達はあなた方が真剣に将来を見据え、
険しい道程で有っても夫婦になってくれると
信じてラブアフェアな付き合いを許した、
誰もが羨ましがる夫婦になってくれる事を期待していました、
それが一変し…誹謗中傷や怒りは多々有るが、
今はそんな事言ってる悠長な時間は有りません!
感情のズレが有ったかもしれません、
川辺君にも非が有ったかもしれない、
けどあなた方二人はそんな事でへこたれてはいけない、
これまで、良い付き合いをして来たのではないですか?
一回の危機で諦めてしまう仲だったのですか?
苦境に立たされても励まし合い乗り越えて来たと聞いてます!
何がなんでもと言う気持ちは無くなったのでしょうか?
どうして川辺君を信じられなかったのですか?
辛くても諦めさえしなければ彼はこんな事に…
それでも彼は生きようとしている。
意識が薄れていく中でも「ひとみ」と言う名前を呼んでいる。
それを聞いてる私はどうすることもできない。
私はあなたを許さない!
しかし真剣に彼に再度生きる希望を与えてくれるなら…
今なら生への可能性は有る。
まだ間に合うかもしれないんです!
川辺君にはひろみさんが必要なんだよ…
私も非情な事はしたくない。
世間に口外する事はしないから!
私が優しい言葉で言ってる間に、彼にメールしてほしい。
言い分が有るなら、今しかない。
第八話に続く