健康維持の伝統
アララギ村は無医村であり、ドラッグストアはもちろん薬局もない。急病人が出たときの緊急搬送体制も構築されていない。そのため、病気予防と伝承されてきた民間療法が今でも主流となっている。
小学校の高学年から、貝原益軒の養生訓、大和本草を教科書とした授業がおこなわれているほか、北斎漫画にヒントを得たヨガ体操が古くからおこなわれている。
幼子ですら、村に自生するせんぶり、どくだみ、げんのしょうこと言った薬草をよく知っており、どくだみ茶は、ごく普通に飲用されている。とちの実も打ち身用に利用されている。
イモリとミミズの黒焼きもどこの家庭にもある。熊の胆も知られているが、高価な故換金用とされ、村内で使われることはまずない。
しかし、常備薬は富山の薬売りに依存するところ大である。また、富山の薬売りは貴重な村外の情報源であると同時に、おまけとしてくれる紙風船は子供たちに大いに喜ばれている。
病気になってからの対応よりも病気にならないようにという予防思想が古くから根強く、現代人にも大いに考えさせることではある。
実際アララギ婆様のみならず、村内には元気な老人が多いことにも驚かされる。