大阪・道頓堀の人気たこ焼き店「大たこ」の店舗が大阪市の市有地を不法占有しているとして、市から立ち退きなどを求められた訴訟で、最高裁第3小法廷(近藤崇晴裁判長)は20日付で、2審で敗訴した大たこ側の上告を棄却する決定を出した。大たこへの立ち退き命令が確定した。
2審判決によると、大たこは72年の開業以降、同市中央区の道頓堀川近くの市有地約4平方メートルを占有してきた。大たこ側は「20年以上、他人の物を占有した場合はその所有権を取得する」との民法の規定に基づき、06年に所有権移転登記を求めて提訴。市は07年に土地の明け渡しと土地使用料(月額約1万3800円)の支払いを求めて反訴した。
1審の大阪地裁判決(09年3月)は大たこの所有権取得を認めなかったものの「市と大たこは営業継続に努める方向で信頼関係を築いていたので、市の明け渡し請求は権利の乱用に当たる」として市側の明け渡し請求を退けた。これに対し2審の大阪高裁判決(10年1月)は「市側は隣接地の所有者を介して払い下げも試みており権利乱用とは言えない」と判断した。1、2審とも土地使用料の支払いは命じていた。
20年以上いたらいいのか