「非常に有能な、しかも意欲的な記者2人を失ったことは本当に残念」―。埼玉県秩父市のヘリ墜落現場取材で、社員2人が死亡した日本テレビでは1日夕、細川知正社長らが東京・汐留の本社で急きょ記者会見。細川社長は「大変驚き、衝撃を受けている。取材中の事故でお騒がせしたことを心からおわび申し上げます」と陳謝した。 会見は同社18階で1時間余りにわたって行われ、細川社長と渡辺弘報道局長、杉本敏也報道局次長の3人が臨んだ。 細川社長らによると、死亡したカメラマン川上順さん(43)はアラスカや中国などで取材を経験した「山岳取材のスペシャリスト」。同社の山岳取材班の中心的存在で、装備も一元的に管理していた。記者北優路さん(30)は警視庁クラブやさいたま支局で事件事故や裁判の取材を経験し、今回の墜落事故でも初動段階で現場取材を担当。大変仕事熱心だったという。 今回の取材は、墜落事故を検証するニュース番組を作るため、地上から事故現場の映像を撮りたいと現場サイドが要望。小型カメラ携行とガイド同行を条件に、社会部長が1日限りの取材を許可した。 杉本次長は「適正な装備の上で、十分な準備、ガイドを付けた態勢で取材可能と判断した。結果として判断が甘かったとの指摘があれば、そのそしりは免れない」と力なく語った。 2人がガイドの判断でいったん入山口に引き返した後、再び入山した理由について「大変知りたい。事前の打ち合わせと違う行動をどうして取ったのか…」と困惑した様子で話した。
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