月も曇り切れ間に隠れた漆黒の闇に
切り裂くような咆哮がこだまする
闇の中で黒い塊が蠢く
年老い傷だらけのその獣は
圧迫されたような息遣いで
じりじり 身体を進ませる
全てのものを愛そうとした
全てのものを信じようとした
全ての痛みを引き受けようとした
しかし その代償が獣の苦しめる
不信 疑念 裏切り・・・
獣の通った後には
痛みと悲しみに彩られた真っ赤な涙の後が
ただ 転々と染み付いていく
それでも獣は 傷つき重い足を引きずり
歯軋りしながら前に進む
きっとどこかで 自分を必要としてくれるものが
存在することを信じて