https://carview.yahoo.co.jp/ncar/catalog/nissan/leaf/chiebukuro/detail/?qid=1457849729
簡単に電気自動車への移行はおこなわれません。日産の状況をみてみましょう。
●日産の2050年の駆動源予想
日産のグリーン・プログラム2010で発表された2050年の駆動源は下記の通りです。
・内燃機関(ガソリンエンジン+ディーゼルエンジン) = 44%
・ハイブリッド(ハイブリッド+プラグイン・ハイブリッド) = 28%
・電気自動車+燃料電池自動車 = 28%
ハイブリッド車には,エンジンがありますので,エンジンが搭載されたクルマは72%になります。つまりあと40年後も,クルマの大半はエンジンが付いているというのが,日産の予想です。これが,電気自動車ブームを作った日産の予想です。
●どうして電気自動車ブームが必要なのか?
駆動源は下記のような変遷になります。
ガソリン車 → 燃費改善ガソリン+ハイブリッド車(日本)+クリーンディーゼル(欧州:欧州の比率は53%) → これにプラグイン・ハイブリッドが加わる → これにディーゼル・ハイブリッドとディーゼル・プラグイン・ハイブリッドが加わる
つまり電気自動車は都市内の限定的な車両としてはあっても,今の自動車に置き換わるものではないというのが識者の見方です。
この変遷から,ハイブリッド技術が弱いメーカは,環境にやさしい企業イメージを作ることができません。このため企業イメージ構築のために電気自動車でブームをつくっているのです。
大学の先生の一部は,国から研究費が捻出でき,かつ研究に取り組みやすいテーマが望ましいわけです。エンジンや燃料電池は,技術レベルが高すぎて,ほとんどの研究者にとって研究対象になりえません(その意味で,大学のエンジン研究者はレベルが高い)。電気自動車は,その意味で手頃なのです。
ある大学の先生がスポーツカーのような電気自動車をつくられ,マスコミに出ていますが,下記の問題解決にはまったく無縁で,大半の自動車会社から無視されています。
●電気自動車のやさしさとむずかしさとは?
電気自動車は,素人でもつくれるほど,高い技術は不要です。しかし下記の本質的な課題があり,どの自動車メーカでも解決できません。
(1) 電池コスト … 電池のコストで車両価格が約2倍
(2) 航続距離 … 三菱i-MiEVも日産リーフも,エアコンONなら,せいぜい80~100kmです。東京から群馬の温泉には行けません。
(3) 充電時間 … 電圧100Vの家庭で充電するには,半日かかります
(4) 充電インフラ … 電気代がガソリン代の約1/10であることは良いのですが,安すぎて,ガソリンスタンドのような経営が成立しません。このため企業ボランティアや自治体の税金による充電スタンドしかできません
●電池の進歩
リチウム・イオン電池の15年間で次のような進歩を遂げました。
・出力密度=5倍に
・エネルギ密度=3倍に
しかし,それでもリチウム・イオン電池のエネルギ密度は,ガソリンの1~2%しかありません。いくらモータ効率がエンジンより高いといっても,航続距離がガソリン並みになることは,あと20年くらいはないのです。
●トヨタとホンダの考え方
日産や三菱以外は,EVは都市内のコミュータとして存在意義があると考えています。これは電池や車両コスト,そして航続距離から当然の帰結です。日産のように大型の電池を使うというのは,充電時間が長くなり,コスト・重量がかさむばかりで,売れる見通しはありません。
●次の駆動源は?
プラグイン・ハイブリッドです。都市内では,EV走行が可能であり,しかも高速道路では,1000km以上走行できます。このためすべての自動車会社が,次に売れる車として,プラグイン・ハイブリッド車を開発中です。
●2020年の駆動源予想とは?
添付図をご覧ください。電気自動車+プラグイン・ハイブリッドの合計で5%くらいです。一方,欧州のディーゼル車はすでに53%です。また日本のハイブリッドは13%くらいです。これから次のことが言えます。
・日本のハイブリッド = 小規模なブーム
・欧州のディーゼル車 = 完全に主力
・電気自動車 = あと10年後でも,2~3%
●日産のハイブリッド車
日産は,FRとFFにそれぞれハイブリッド方式を開発しています。フーガ/スカイライン用には,50kWクラスのモータとその前後にクラッチをつけた「1モータ/2クラッチ方式」のパラレル・ハイブリッド。次期セレナから投入するFFハイブリッドも1モータ方式のパラレルです。またプラグイン・ハイブリッドも開発中です。
EVで環境に優しい会社というイメージ構築はできました。しかしEVでは赤字になり,かつ上記の課題が解決できていないので,売れません。このため売れる車(ハイブリッド車)が必要です。それがハイブリッド車です。EVでのモータ,インバータ,電池の開発投資はハイブリッド技術に転用可能です。
●原発
最近,もっとも注目されているのは,EVへの移行は原発増設が必要なことです。もしEVへ完全移行するためには,あと25基くらい原発増設が必要です。
まず、車両価格が高いです。
軽自動車やティーダクラスで補助金を使って300万円はキツイです。
充電設備の少なさも問題です。
充電設備は各設置店舗が自腹で設置しなければなりませんが、1基200万円するそうです。
なかなか増えませんよね。
充電時間と航続距離も問題です。
最低20分以上の充電で100Km程度の航続距離(エアコンや暖房使用時)では話しになりません。
普及する為には、課題が多過ぎます。
また、もし普及し始めたとしても、レアアースやレアメタルの使用量はハイブリッド車の比ではありません。
ハイブリッド車でさえも「レアメタルを大量に使って」と批難されています。
EVなら、それこそ何を言われるか・・・
個人的には、EVは各社共通のバッテリーを積んで、ガソリンスタンドで充電済みのバッテリーに載せ変える方式をとれば、今よりは普及する可能性があると思います。
そうすれば、EV用のバッテリーも価格を抑える事が出来ると思います。
乾電池の様な考え方ですね。
車両価格は普及と共に安くなると思いますが、200万円前半くらいにならないと普及は厳しいと思います。