海からの軟らかい風が いつの間にか白くなった髪をなでていく
あはは ちと長居をしたかな 俺としては
周りの景色を眺めていたら いつの間にか時の経つのを忘れていた
でも もうちょっと眺めていたいから ここにこうしていよう
海には人がいないねえ そっか 今日から採取が始まったのか
あは まるで俺の海だね
あの変な海藻もなくなって すっきり遠くが見渡せるようになった
雲が 大空を流れて行く 何処へ行くんだろう
「余計なお世話」っと言う声がした
そうか 余計なお世話だったねえ
「あはは 麗児とやら よそ見して釣り逃がすなよ」とまた空から声がした
それこそ余計なお世話だ
その時 ぐぐっと手ごたえを感じた
思いっきり 引き寄せたら 糸の先にキラキラするもが
「魔法の銀の破片」がかかっていた
味なことをやるなあ 雲の奴め
