ぶどう
葉は両側に切れ込みのある15 - 20センチメートルほどの大きさで、穂状の花をつける。野生種は雌雄異株であるが、栽培ブドウは1つの花におしべとめしべがあり、自家受粉する自家結実性であるため、他の木がなくとも1本で実をつける。果実は果柄(かへい)を通じて房状になり、果皮は緑色または濃紫色で、内部(果肉)は淡緑色である。主に熟した果実を食用とするが、果実は子房が肥大化した、いわゆる真果である。外果皮が果皮となり、中果皮と内果皮は果肉となる。果実のタイプとしては漿果に属する。大きさは2 - 8センチメートル程度の物が一般的である。ブドウの果実は枝に近い部分から熟していくため、房の上の部分ほど甘みが強くなり、房の下に行くに従い甘味も弱くなる。皮の紫色は主にアントシアニンによるものである。甘味成分としてはブドウ糖と果糖がほぼ等量含まれている。また、酸味成分として酒石酸とリンゴ酸が、これもほぼ等量含まれる。
ブドウ属の植物は数十種あり、北アメリカ、東アジアに多く、インド、中東、南アフリカにも自生種がある。日本の山野に分布する、ヤマブドウ、エビヅル、サンカクヅル(ギョウジャノミズ)もブドウ属の植物である。
現在、ワイン用、干しぶどう用または生食用に栽培されているブドウは、ペルシアやカフカスが原産のヴィニフェラ種 (V. vinifera) と、北アメリカ原産のラブルスカ種 (V. labrusca)である。
栽培されるブドウには生食用ブドウと加工用ブドウがあり、加工用品種は醸造・干しブドウ・ジュースなどに利用される。生食用はテーブルグレープ、酒造用はワイングレープ(wine grapes)と呼ばれている。