サザンカ 
(山茶花、茶梅、学名: Camellia sasanqua)は、ツバキ科ツバキ属の常緑広葉樹。童謡「たきび」の歌詞に登場することでもよく知られる。 神戸市の市の木にもなっている。
漢字表記の山茶花は中国語でツバキ類一般を指す山茶に由来し、サザンカの名は山茶花の本来の読みである「サンサカ」が訛ったものといわれる。もとは「さんざか」と言ったが、音位転換した現在の読みが定着した。
樹皮は灰褐色で表面は平滑である。葉は長さ2 - 5センチメートル程度の鋸歯のある楕円形で、互生する。 秋の終わりから、初冬にかけての寒い時期に、5枚の花弁の花を咲かせる。野生の個体の花の色は部分的に淡い桃色を交えた白色であるのに対し、植栽される園芸品種の花の色は、赤色や白色やピンクなど様々である。 花が咲いたあとに直径2センチ程度の球形の果実が付く。果実の表面には短い毛が生えており、開花の翌年の秋に表皮が裂けて中から2 - 3個の種子が出る。
冬の季語にされるなど、サザンカには寒さに強いイメージがあるが、開花時期に寒気にさらされると花が落ちること、四国・九州といった暖かい地域が北限である事などから、原種のサザンカは特に寒さに強いわけでは無い。品種改良された園芸種には寒さに強く、真冬でも花を咲かせる品種も少なくない。
サザンカ、ツバキ、チャノキなどのツバキ科の葉を食べるチャドクガが知られている。この毒蛾の卵塊、幼虫、繭、成虫には毒針毛があり、触れると皮膚炎を発生させる。また、直接触れなくても、木の下を通ったり風下にいるだけでも毒針毛に触れ、被害にあうことがある。
日本では山口県、四国南部から九州中南部、南西諸島(屋久島から西表島)等に、日本国外では台湾、中国、インドネシアなどに分布する。
なお、ツバキ科の植物は熱帯から亜熱帯に自生しており、ツバキ、サザンカ、チャは温帯に適応した珍しい種であり、日本は自生地としては北限である。