最初の赴任地は北海道であった。
3月24日に内定の連絡があって、4月1日の辞令交付式に来るようにとのことで、あわてて親に交通費を借りて31日午前10時大阪発の白鳥に乗った。
福井、金沢富山を過ぎて新潟に入ると積雪は1m以上になって、最初は満員であった乗客も次第に減っていき
外も段々薄暗くなってきて、暖房の効いている車内の温度も下がってきてるように感じて、段々心細くなってきた。おまけに席を移ったおじさんが失業者手帳が落ちてなかったと探しに来たり。。。山形秋田とかでは車窓から見える民家の明かりも少なくなってきて、もっと北に行くとどうなるんだろうかと心細さは募るばかり。
広島と大阪にしか住んだことのない私にとって1mを超える積雪ははじめてみるものだったしなあ。
それが函館では10センチもないほどの雪でフキノトウの浅黄色がうれしかった。列車が動き出して間もなく大沼に差し掛かると、ちょうど噴火湾に朝日が昇る時間で、駒ケ岳が赤く染まって、大沼の雪景色はまさに感動そのものの美しさだった。
それまでの心細さは消えて、これからの新しい人生を期待させる風景だった。今でも鮮烈に記憶に残っている。
今なら飛行機で一飛びだけど、貧乏学生がまる1日かけて列車で北上したときの思い出である。