
言わずとも知れすぎた名作。原作は27年前に完結済み。つい最近久しぶりに読みたくなりアニメの方も視聴した。
アニメもすでに8年前になる。
正直、あまりにも名作過ぎて、ここにいる人は皆知ってると思うが、備忘録として記そうとも思う。
初めて読んだのは高校時代に世界史の教師が「これは読め!!」と言われてその日の内にゲオに行き、面白すぎてあっという間に全巻読破した。
あらすじは簡単に言うと、地球に寄生生物(パラサイト)がやってきて人間の脳に寄生して人間を捕食するという、陳腐な言い方をすればパニックホラーものである。
だがこの作品の命題はそこではない。
それは「人間は果たして生きていて良いのか?」と「本当に霊長として人間は適切か?」というのが主な主題である。
主人公、泉新一はパラサイトに右手を寄生されその右手(ミギー)という全く別の種である二人の視点から、人間、パラサイト、の2つの種の観点から世界を視て、そしてこの疑問に向き合っていく。
この漫画は対比が素晴らしく、初めは人間らしく普通だった新一が徐々にパラサイト側の思考に寄っていき、
反対にミギーや後述する田村玲子などが徐々に人間性(倫理)を獲得するその過程の描写が素晴らしく、後世の漫画作品に影響を与える今なお色褪せない名作である。
好きなキャラは、ミギー、田村玲子、新一の母、カナ。まぁでも基本的にみんな好き。
特にネタバレになるが田村玲子が新一に赤ん坊を預けるシーンとそこからの流れは完璧だった。
アニメでは原作よりも感情描写がウェットになっており、既読組からの批判もあるが僕は好き。むしろ気に入った。
人間とは何か?
この作品には様々な観点から人間を描いてる、それは普通に生きる人間からも、パラサイトからも、パラサイトに寄生されながらも自我を保っている主人公新一からも。
その視点(フィルター)から通されて視た世界では人間の様々な姿が視れる。
他の生物は基本、自分の種の繁栄のために行動する。同種に対する思いやりもそれは遺伝子のためによるものと本作は解釈されてる。利他的に行動するように見えてそれは種の繁栄のための利己的な遺伝子による自分本位な行動だ。
人間もそれに当てはまるか?例えば子供を愛し育てるのも、友人を大切にするのも、社会のためにインフラを整えるのも利己的な遺伝子か?
それに関しては半分YESで半分NOだろう。
例えば働けない障害者のために生活を保障したり、や子供を生むことができない異性を愛してしまいそれでも愛を貫く人間もいる。
つまり社会保障などや真の愛は生物として「異端」なのだ。
人を思いやる気持ち、何かを大切に思う気持ち、誰かや何かが傷つくことに感傷を覚える心は利己的んば遺伝子に反する。
作中では最後に「人間の心はそれだけ暇だから。でもそれが人間の最大の取り柄。余裕のある心、なんて素晴らしい!」とパラサイト側から肯定される、この構造が非情に美しい。
他者を思いやる気持ち(倫理)は種の繁栄や自分だけ助かりたいという欲すら時に凌駕する。それは人間の尊さの現れであり、同時に「ああ、、生きてて良いんだ。」ともストンと納得できる答えだった。
昔から虐待や強姦、殺人や困ってる人を見て嫌な気持ちになっても実際に人のために行動する人は稀である。
なぜなら大多数の凡人は自分と周りの人間を幸せにするので精一杯で、自分の世界だけで充分忙しい。
そんな世界の暗い話題を見て何も行動できない自分に嫌気がさしても、「そういう暗い、世界中の出来事」に胸を痛めて、
心が傷つくこと、それは人間の心が暇だから。でもそれで良いんだよ?と肯定された気になった。
なんかこの漫画を読んだら無性に社会奉仕がしたくなり、川原に行ってゴミ拾いしたり募金したくなった。
自分にできることは微々たるものだけどそれでも人間や世界を思いやって生きていこうと思えた素晴らしい作品でした。
https://www.nicovideo.jp/watch/sm25556720
ニコニコに田村玲子の最期のシーンがあったので貼っときます。
原作の淡々とした感じもいいけど、これはこれであり。
あ、コメントは消した方が良いですw
https://www.youtube.com/watch?v=Oa7nsUWR6zg
ED。アニメ見てからずっとリピートしてる。久しぶりに飽きない曲です。
暇さえあれば原作を読んだり、アニメをどうぞ。
それでは。