今回のお題は、「運動会の思い出」です。
幼稚園のとき。
運動会に向けてかけっこの練習をしていて、
どうしても勝てなかったわたしは、
あることを思いついた。
「そうだ。早い人に押してもらえば、一番になれるかも!」
次に走るとき、よーいどん、で走りはじめた瞬間、
わたしは両手を大きく左右に広げた。
上半身だけ押されて、ものの見事に転んだ。
「あ、そうか。足がついてかなきゃ、ダメじゃん!」
あまりの浅はかさに、とてもとても恥ずかしくなって、
ともだちに笑われるんじゃないかと思って、
先生にも怒られるんじゃないかと思って、
ドキドキしていた。
バカなことをした、という気持ちだけでいっぱいで、
泣くなんてことはできなかった。
先生が、あわてて走ってきて、抱き起こしてくれた。
抱いて保健室まで連れて行ってもらうあいだも、
保健室で手当てしてもらっているあいだも、
少しも泣かなかった。
自分の不手際で先生たちに迷惑をかけてしまって、
申し訳ない気持ちでいっぱいだったのに、
先生には「泣かないでえらいわねぇ」なんて言われてしまって、
とってもバツが悪かったのを、いまも鮮明に憶えている。