「サンタさんに送る手紙」 (※『贈る』は手紙に使う漢字じゃないと思うよ、運営さん…)
拝啓
貴方がいらっしゃらなくなってから長い年月が経ちました。
多忙な方なので幼少の頃から捻くれモノだった私に時間を割くのが面倒になったのは重々承知しておりますので怨み節など歌う気は全く御座いません。
私が薄らボンヤリと記憶してるのでは恐らく小学生までしか貴方は来なかったと思います。
まあ、別にそれは気にしておりません。小学校高学年ともなれば「うわぁい、サンタさんが来たよぉヽ(*´∇`*)ノ」なんて微塵も思ってお/りませんでしたもの。
ただ、少しだけ今でも引っかかることがあるのです。
何故、貴方はいつもバラの包装紙にプレゼントを包んでいたのでしょうか。
他の同級生達は毎年様々な模様の包装紙に包まれていたと証言しておりましたが、
我が家は毎年かならず白地に赤いバラの包装紙でした。
この包装紙は私が記憶しているところに拠ると
高○屋という百貨店の包装紙に酷似しているのは…単なる偶然の一致でしょうか。
そしてその頃
父の勤務先は横浜にあり、駅にはその百貨店があったなんてことは偶然なのでしょうか。
まあ、それも良いでしょう。今更考えたところで何の利益もありませんから。
恐らく貴方はバラが好きだということですね。それ以上は考えないことにします。
ああ、それからまた一つ思い出しました。
あれは何時の頃か…恐らく小学校2年生ぐらいだった筈だと思いますが、冬休みが開けて学校へ行くと
クラスメイトの殆どが「サンタさんにリクエストしたものと全く違うものが届いてた」という子供にとっては衝撃的な事件があったのです。
ぶっちゃけ申し上げましょう。
あの時貴方が贈って下さったものは情操教育という単語がやけにちらついた、子供にとってはビックリマンシール(ただの悪魔)よりも嬉しくないものでした。
何故、私のクラスの殆どがこのような被害に逢ったのでしょうか。
当時の私達には何故このような事件が起きたのか理解できませんでしたが、被害に逢わなかったごく数名のクラスメイトはとてもお金持ちの子と、お母さんが学校行事に殆ど現れない、保護者同士のお付き合いが殆ど無かった子だったような気がするのです。
つまり、私が申し上げたいのは『保護者同士のお付き合いがあった子供ばかり』が『カス同然の情操教育玩具を与えられた』というのは単なる偶然でしょうかということです。
まあもうン十年も昔のことで今更蒸し返すのは野暮なことなので私は母に問いただしておりません。
しかし今でもクリスマスプレゼントのコーナーで目を輝かせている子供を見ると私は己の体験談を語りたい欲求に駆られて仕方ないのです。
ご多忙な貴方で御座いますからご返答は頂けませんでしょう。
ええ、重々承知で御座います。返答は希望しておりません。
これは私の単なる回顧録であり、もしも貴方が忘れておられるのならば是非思い出していただきたいのです。
なぜなら私はあの年より貴方の存在を疑問視するようになったのですから…。
世界中の幼き子供の夢と希望を壊さぬ為にも再発防止に心がけていただきたい所存で御座います。
敬具