木花咲耶は地底炉に繋がっているケーブルを切断した。
ビビビ・・・
小さな音を立てて檻の扉が開いた。
「ありがとう・・・あなたは?」
わむたんは扉を開いてくれた女戦士に尋ねた。
「私は木花城の木花咲耶です。」
「城下町で木花城は魔物に襲われて二人のお姫様はさらわれたと聞いたのですが?」
「ええ。魔物が襲ってきた時、私はうまく隠れて難を逃れたのですが、妹は魔物に連れていかれてしまったのです。それ以来私は剣の修行をしながら妹を捜しているのですが、わむたんさん達が城下町に来たので何か妹の事を知っているのではないかと思い追跡してきたのです。」
「そうでしたか・・・でも、妹さんの事については分からないのです・・・お力になれなくてごめんなさい・・・。」
「チル!どうしたらいいの!」
ミャウはたまらず声をあげた。
「痛いよー」
背中とお腹を叩かれたチルは虫の息だ。
「寒椿、ハッカカエデの葉を出して。」
「はい。お嬢様。」
乙橘はチルの背中とお腹にハッカカエデの葉を貼り付けると雷鳴の角笛を吹きだした。
「癒しの旋律!」
ルルル・・・ラララ・・・
心休まるような曲だ。
チルの打撲はだんだん治まっていった。
(お願い:この作品はポプラ社小説大賞応募予定作品につき、作品の模倣、一部の複写等の行為はご容赦ください。☆一部名称等ニフティに帰属する部分は投稿時に変更することとする。☆この作品の著作権はわむたんに帰属します。)