もしも、MILU世界の中で、
同じような思いや感覚に捕らわれている人がいたらと思って書くことにした。
3月30日夕方から、私はりア師匠のお供で都内某所の講演に出かけた。
講演するのは師匠であって、私は秘書役である。
実は今月、3回の同行を依頼されていたのであるが、東北関東大震災の影響で
他の講演はキャンセルとなっていた。
こんな時期だが、講演はいつものように大盛況。
終了後は師匠にサインや握手を求める人だかり。
見慣れた光景だった。
だが、やはりいつもと雰囲気が違う。
泣く人が多いのだ。
そこに一人の女性がいた。
年齢は30代半ばくらい。
彼女は師匠に訴えた。
「被災地に自分たちの親類縁者はいないのに、夫がおかしい。
震災以来、夫は哀しみと絶望に捕らわれている。どうしたらいいのか?」
師匠と私は一瞬、視線を絡ませた。
私たちには理由がわかるのだが、短時間で彼女にどう説明するべきか。
根拠を書くと本1冊分になるので、あえて割愛するのはお許し願いたい。
男女は生殖可能な別の生き物だ。
お互いを理解することは、男女の脳の違いを理解しない限り、不可能に近い。
男性脳は空間認識力が女性の何倍も優れている。
そのため、平面で流されるメディアの被災画像を立体的に置き換え、
あたかもその場に自分がいるような錯覚に陥る。
前述の女性の夫はそれが顕著に現れ、うず高く積み上がったガレキの山の中で
途方にくれている状態だ。
しかし、脳は長く絶望していられない。
突出した感性状態が長く続くと危険なのだ。
それゆえ、脳を守るために希望が生まれる。
逆も同じこと。
幸福の絶頂にある時、ふと脳裏をよぎる(こんなに幸せでいいの?)
という、あの感覚。
師匠は赤字の部分を説明し、微笑みながら「だいじょうぶ」と言った。
そして、
「あなたが笑って手料理を作り、夫の存在が愛おしく、
共に幸せでいたいと望んでいることを伝えれば、彼はほどなく元通りになる」と。
その後……
講演主催者さまのご厚意による酒席に案内され、
師匠と私はしこたまワインを呑んだ。
深夜帰宅し、(いかん、ジョイリーにエサをやらなければ……)
と、MILUにIN。
のんちゃんとオイ君とカナちゃんがいた。
私は多くを語らなかったが、三人に労わってもらって、元気が出た。
今日、この文章が書けたのは、三人のおかげだ。
のんちゃん、オイ君、カナちゃん、いつもありがとうございます。