「アウトドアまたは、インドアの思い出♪」
そうですねぇ~、少し前の話です。長くなりますので、お時間があ
れば聞いてください。
北アルプス「蝶が岳」という山に友人と二人で登った時の話です。
残雪が残っている春登山でした。
上高地、河童橋から出発し明神、徳沢、横尾まで行き、横尾山荘
で1泊し、早朝いよいよ、蝶が岳登山道に・・・頂上にいくにつれて
残雪は深く、アイゼンなしでは山道が歩けないくらい、上りはきつか
ったものの難なく踏破し、下山することに・・・ところがななは下山途
中で足を滑らせ、山道から滑落してしまったのです。
残雪は見た目より硬く、アイスバーンになっていて、いったん滑り
落ちると、スピードが増しスケートで滑るようにどんどん落ちて行きま
した。
「このままだときっと死ぬなぁ~遭難者になるかもしれない~」
滑り落ちながらそういうことが頭をよぎっていました。
硬くなった雪の凸凹に腰や背中を打ちつけられていましたが、何と
か滑落を食い止めなければと思って全身をばたばたさせて足には
いたアイゼンでブレーキをかけました。そうすると、雪が溶けて少し
草が密集していているところで止まったのです。下をみると、谷川が
流れていて音がゴーゴーと聞こえています。相当下まで落ちたんだ。
しばらく、そこで横たわっていました。しかしながら頭の中では
「私は死ななかったんだ・・・でも、ここはどこなんだろう?家に帰れ
るんだろうか?」と思って倒れていました。すると・・・
「おーい!おーい!大丈夫か?」という声が聞こえてきました。
「はーい、大丈夫です!でも山道までどうやって戻ったらいいかがわ
かりません」と返事しました。
「僕が迎えに行くので、待っていてくださ~い」
体を起して音のするほうを見ると、一人の男性が長い木の枝を杖に
して、ななが転がっていた場所まで迎えに来てくれました。
その男性の誘導で山道まで戻ることができました。その方はななが
落ちて行くのを見て助けに来てくれたのでした。
「お友達が下山してくるのをここで待っていなさい」と言い残して、
その方は一人で下山していかれました。
しばらく待っていると泣きながら下山してくる友人と無事合流すること
ができました。友人はななが遭難したか、死んだのではないかと思
って、泣きながら下山してきたそうです。
幸い、リュックは背負ったままでしたし、体も打撲程度で骨折もな
く、なくしたものは手袋と帽子と杖だけでした。
今思えば、あの時遭難したか死んでいたら、ニュースで報道される
ところだったと思います。そして助けに来てくれたあの男性はどなた
だったでしょうか?名前も聞かず、顔も覚えていません。お礼も言っ
たかどうか記憶がありません。自分のことばかり考えていて余裕も
なかったのです。
登山は素晴らしいですが、危険が伴うということを肝に銘じました。
長い思い出に付き合ってくださりありがとうございました。<(_ _)>
