白ひげ鯨村の皆様、こんにちは!でございます
櫻家執事長、坂崎又一郎の「君をおかずにまたいぢろう」のお時間でございます
本日もよろしくお付き合いのほどをお願い申し上げます
大変に、暑くなってまいりましたが皆さまはいかがお過ごしでしょうか
え?いちいち聞くな!暑苦しい!と・・・左様でございますね・・確かに暑苦しい時に暑いですね、とは
わかりきってるならそんな挨拶はやめやがれ!!と、そう思うのもまた人情でございますね
ま、しかしながら暑い時に暑いですねと挨拶して何が悪いんだと!あ、わたくしも少々熱くなってしまいました
失礼いたしました
<m(__)m>
最近では日中ばかりでなく、夜もまた暑苦しく、寝苦しい陽気でございますね
わたくしの記憶ですと夏といえば夕立がございまして、あれでこう、一気に地面の温度が下がりまして
気化熱?とか申しまして、気温がぐっと下がったものでございます
夜なんざもお腹を出して寝ますと寝冷えという、つまりお腹がぴーひゃらグルるる、お祭り騒ぎになりましたものでした
膨様御幼少のみぎりも、夏はなかなか寝付けないことが多うございまして、その際など
「さかさき、ボクになにかおはなしをして」
などと仰られまして・・・わたくしの手を握りまして・・・「ねーねーねー」などと・・・
そうなりますとわたくしも一所懸命に物語をひねり出したもので御座いましたが、途中で膨様が設定やら登場人物に注文を出されることがございまして
例えば、大概このような調子になりました
「・・・そして櫻太郎は鬼ヶ島へ鬼退治に出かけることにしました」
「さかさき、鬼って悪者なの?」
「そうでございますね、皆さんの財宝を奪ったり姫をさらったりしましたので、悪者でございますね」
「でもー、ほんとうのわるものはほかにいるかもしれないよ」
「へ?」
「きっと、へいわにくらしてた鬼の財宝を奪ったり、けんりのよくあつなんかしたんだよ、都の偉い人たちが」
「はぁ」
「だから鬼が自分たちへの差別とたたかうために暴れたんだよ」
「そ、それではどのようにすればいいのでしょう」
「都の偉い人をたいじしちゃうと僕たちがわるものにされちゃうだろ?だから鬼と話し合って、鬼退治したことにするのさ」
「ははぁ」
「それから、都で僕たちの勢力を伸ばすんだよ、そうすれば世間の人たちにも良い人に思われるでしょ?」
「なるほど」
「都の悪者を政治的に死に体にしてから僕らが実権を握り、それから鬼達と和平交渉して、鬼ヶ島の自主独立を認めるんだよ」
「難しい言葉をご存じで」
「その見返りとして、鬼たちと独占貿易して利益を上げるんだよ」
「なにやら都の人をだますようでございますね」
「何を言ってるんだね、坂崎。清濁併せて飲めるぐらいじゃなきゃ、リーダーとは言えないじゃないか」
「左様でございますね」
「そもそも正直者で嘘をつかないなんて人間は、本当は利己的で冷たいじゃないか? 相手を思いやるからこそ、嘘をつく場合もあるじゃないか。真実で傷つく人だっているんだよ?」
「・・・」
「君だって、僕に打ち明けていない本当の話があるだろう? 僕の母の事やお爺様が何をしてきたか、僕に話さないのは君の優しさではないのかい?」
「膨様、そのような・・・わたくし胸が苦しゅうございます」
「他人を守る嘘なら、墓まで抱いていこうじゃないか、坂崎、そうじゃろう?わはははははははは!」
「し、繁光様!!」
( ゚д゚)ハッ!
わたくし居眠りをしましたようで、途中から白日夢を見ていたようでございます
どのあたりからがわたくしの夢になったか、お気づきの方はお教えくださいませ
夢落ちという情けない結果となりましたがご容赦のほどお願い致します
それではまた来週も、櫻家執事長坂崎又一郎の「君をおかずにまたいぢろう」でお会いいたしましょう
という夢を見た午后