友の中には生まれていない人がいるかもしれない25年前。
ちょうど今の季節です。シュタインツという町の近くの村に転がり込んでいました。
ワインがおいしかったのと、羽を休めるにはちょうどいい長閑な風景に魅かれ、2か月ほど滞在したのです。
農家の家で牛の世話をしたり、木の伐採の手伝いをしながら長居させてもらいました。
息子のトニーが私より少し上で、奥さんのバーバラは一つ年上でした。
みんながお母さんのことをムッティと呼ぶので、私も意味も分からずムッティと呼んでいました。
母の日の日曜日。シュタインツへ新しい靴を買いに行ったとき、花屋さんの店先でムッタータークと書かれていっぱいのカーネーションを並べていたのです。
私は、この時になって初めて、母の日は世界的なイベントだと知りました。同時にドイツ語で母という言葉も。
ムッティはお母さんとでも訳すべき言葉なんでしょう。
あつかましくも、勝手に子供になっていたわけです。
一輪のカーネーションを買って帰りました。
すると電話のところへ連れていかれ、日本へ電話しなさいと貸してくれました。
その日は、トニーの兄弟たちも寄り、賑やかにパーティーをしている中、気を配ってもらったことに感謝しています。
世界的なイベント、顔を見せに来て一緒に過ごす。せめて声だけでも通じようとする、外国の人らしいですね。
イベントといえば贈り物合戦になってしまう日本では情の豊かさに敬服します。
ぼく思うんですけど、あれこれ迷わず、この日はカーネーションでしょ。
イベントに携わる者としては、あれこれ手を施して、その自分に酔うのもいいですが、常にシンプルに!が信条。
私も用意しました。

このときばかりは、客である花屋に、
「今度は俺が客やからなぁ。一番いいのみつくろって」と偉そうに言ってやりました。
そして、青い花が好きなハハへ、青カーネーションの鉢植えも。花屋へのお礼も今後のご贔屓も踏まえてですが。。。
やっと乗り切りました。
後は、当日、花屋さんとお客さんが笑顔で満たされることを祈るばかりです。
やっとボート行ける