喜劇の主人公
(あらすじ)
女との音信不通にこの物語の主人公は業を煮やす。
男(川辺)の娘(サナエ)から女(ひとみ)にメールが届く。
ひとみは以前、名古屋で娘(サナエ)と会っている。
もちろんメールはサナエになり変るという川辺の一人芝居である。
川辺は失恋のあまり、岡山に嫁いでいる自分の娘に成り代わり、
哀れみを請うためメールをよこしてきたのである。
もうここまできたら、悲劇と言うより喜劇だね。
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(6月2日)
サナエです、実家に戻って10日ぐらいかな
でもね家族の中でいろいろ有ったの・・
これは今度話すね!
そんなことよりひとみさんとお父さんが
大変な事になってるの気付かなくて・・
ごめんなさい。
お父さんが真実さんに酷い事言ったよね、
全然本心じゃないんだよ、
昨日話してくれて
お父さんがあんなに大泣きするの初めて見た
体調はいかがですか?
お父さんのせいで・・ごめんなさい。
でね、素直になって謝りなさいって言って叱ったんだ
父は土下座でもして謝りたいって言ってたけど
ものすごく自己嫌悪になってて
どうしたら良いのか分からないみたい・・
それでね昨日の話で明日起きたら
私と一緒にメールしようって言って寝たんだけど、
起きたらお父さん居ないの
私の机に手紙が有って金沢に行って
ひとみさんと同じ空気吸って
ひとみさんを僅かでも見られたら本望だからって・・
お父さんはひとみさんの家知ってるの?
うろうろして家を覗き込んだりしてないかな?
ごめんなさいね
あんまり動いたらいけないって
お医者さんに言われてるのに
警察に事情話して探してもらえるようにお願いはしたんだけど
父はまだ見つからないの・・
体調悪いのにごめんなさい、
ひとみさんに迷惑かけたらいけないと思って。
ひとみさん、今までお父さんの事ありがとうございました、
私が言い聞かせるからね。
(第五話)へとつづく