世の中に溢れる夥しい数の食品群。わが日本国は飽食の時代と言われて久しい。我々は一体何を口にしたらいいのだろうか。己の身体は己が摂取する飲食物から創られる。自分の体にとって必要な食べ物は何か?逆に要らない物は何か?必然的に取捨選択が迫られている筈だが、実際は無頓着な人が多いのではないか。
「腹八分」。健康で長生きする為のキーワードのひとつだが、果たして何%の人間が先人の
知恵を踏襲しているのか、はなはだ疑問である。先進国では肥満が大きな社会問題になっている。肥満の原因が、カロリーオーバーなのは明らかで疑う余地はない。自制心の欠如と云ってしまえばそれまでだが、そこが人間の心の弱さなのだろう。食べる行為は本能の為せる業で、欲望の誘惑には敵わないのである。欲望のまま貪り食う。結果、様々な病気に罹り、自ら大切な命を粗末にしてしまうのである。誰のせいでも無い。ハッキリ言って自業自得だ。
以前TVで観たのだが、海外で猿を使った有名な動物実験がある。同い年の2頭の猿の一方には、栄養満点の食事を大量に与え、もう片方の猿には必要最小限の量しか食事を与えずに、長期間に亘り経過観察を行った。結果は一目瞭然だった。カロリーオーバー猿の顔はしわくちゃで、体毛が抜け落ち、ヨボヨボに瘦せ衰えていた。逆に「腹六分~腹七分」の猿は、肌は艶々で毛はフサフサ、ふっくらとした体つきで如何にも健康そうな外観と保っていた。
過食がもたらす健康被害を如実に物語る結果であった。猿と人間を同列に論じてはいけないが、同じ霊長類、そんなに差異は無いと思う。かなり説得力があり興味深い実験だった。
かくゆう私自身も、長年に亘る暴飲暴食のおかげで、あらゆる病気と仲良くなった経緯がある。人間、痛い目に遭わないと学習しない悲しい性がある。死線を彷徨って初めて知る、己の愚かさ。気付くのが遅きに失した感があるものの、まだ長生きはしたい。まだ手遅れではないと信じ、「克己心」で前述の「腹八分」を実践している。体調に劇的変化は見られないが、実践以前よりも良くなったような気がするのは、果たして思い込みなのだろうか。