「あ~、足が痛い」
もう、ほぼ普通に歩けるけど、仮病だと決めつけられている私は、意地でもこの言葉を連発しないと、競艇に抜けることも許されません。
仕事なんか、今はたいして忙しくもなく、私がいたら逆に邪魔なだけだと思います。そうならなアカン。
「一週間、よくその言葉で引っ張りましたねー」
「あんまり動くな、いわれてんの!おまいら容赦ないからなぁ」
「なんでも利用して、堂々とサボろうとするからですよ」
「心外です。今日は早よ帰りますよ。なんたって俺は肩のリハビリがあるし、なんたって足がね。走られへんし、亀さんのように歩かなあかんからね」
これは本当のことで、足と肩のダブルで診察日。
走れないのも本当のこと。踏み込むのはさすがに怖いです。
「そんなこと言って、住之江で大きなレースなんでしょ。舟券買うためなら走るでしょ」
「そりゃ、走るやろぉ!なんたって今日は準優勝戦やからね。来週は鳴門でSG戦。なんたって、俺の地元」
そのためにも、早く診察を済まさねばなりません。が、言葉を返した後、卑怯な誘導尋問に引っかかったことに気づきました。
「ほな、俺は帰るね。なんたって、ほら足がね。うん、不自由なの」
完全に、時間のサバよんで早退したことがバレてしまいましたね。
明朝の冷たい目が予想されます。
逆切れして誤魔化しましょうかね。
なんたって私ですしね。