7. バルセロナ五輪(1992年)
見た目が大きく変わります。
ハイレグのカットがより高くなったことで、
脚部の運動性が増加。素材は、新開発の「アクアスペック」
ソウル五輪の「アクアピオン」の表面平滑性をさらに向上させた素材です。
新素材開発に当たって、当初は「アクアピオン」より細い繊維を
より高密度に組み立てることを検討したが、
水抜け性に問題があって強度も低下するため、
ポリエステル(PE)に特殊加工を施すことになった。
具体的には、「アクアピオン」に使用された
ナイロンよりやや太いポリエステル繊維を使用し、
ポリウレタンと交編した生地を熱プレスで圧縮加工した。
その結果、「アクアピオン」に比べて生地は薄くなり、
表面の凹凸は約半分と小さくなり、水との摩擦抵抗は約5%減少したのです。

8. アトランタ五輪(1996年)
金メダリストの4分の3が着用したといわれる英Speedo(スピード)の水着。
素材は「アクアブレード」。バルセロナ五輪の「アクアスペック」から、
さらに低抵抗を追求した素材です。
平滑化に関しては「アクアスペック」で、ほぼ限界に達していた。
しかし、表面がどんなに平滑であっても、水の粘性により抵抗が発生する。
物体表面と水の間に、両者の相対速度に応じてせん断力が発生するためで、
これが摩擦抵抗(粘性抵抗)となる。
物体表面から近い領域では、
水の流れにせん断応力による速度勾配が生じることとなり,
その領域部分が境界層と呼ばれる。
境界層は水の流れ方による性状の違いで、
「層流境界層状態」と「乱流境界層状態」に区分される。
実際には、水着表面付近は乱流境界層状態になっている。
乱流境界層では渦が派生するため、
表面の極近傍での速度変化が急激な(せん断力が大きい)状態となり、
摩擦抵抗が層流境界層状態よりもさらに大きくなる。
この辺りになるともう水着と言うより別の物じゃないのと言う
感じの開設になってますね。

この縦の模様みたいのが水の流れを体に沿って
水流が流れると言う仕掛けだそうです。