ハツキネ (その5)
~あの餅がいちばん美味しかった物語~
餅つきの会を開きました。さっそくモチをつき始めます。
仙台市東部、荒浜地区。その地名は、東日本大震災で大きな津波の
影響を受けた場所のひとつとして知られている。現在は、仙台市の
災害危険区域として指定され、住宅の新築や増築ができなくなった。
人の暮らしがなくなり、このまま失われるかもしれない荒浜地区の文化や、
住んでいた方の知恵などの新しい価値体験を提供する試みが
行われている。「荒浜のめぐみキッチン」の活動は、荒浜(沿岸部)と
都市部(仙台駅周辺)の2箇所を拠点としている。この2つの拠点で
毎月交互に活動を行うことで、都市部から沿岸部への人の流れを
作るのが狙いだ。私が参加した餅つきの会の活動は、ハツキネモチを
70年以上も使い込んだ臼と杵で、参加者が餅を搗(つ)いて食べる会。
「あの餅がいちばん美味しかった」の荒浜の農家よしおさんの
一言から始まるハツキネ物語です。
(この記事を書いた人 宮城県仙台市の若栁誉美さん)