ハツキネ (その6)
~4種類の味物語~
70年以上も使い込んだ臼と杵で、餅つきの会参加者がハツキネ餅をつく
荒浜で暮らしてきた佐藤善男さんの種籾から育てられたのが、今、
目の前にあるハツキネモチだ。会場には、たっぷりと水の讃えられた臼と、
水につけられた杵が用意されていた。使用頻度の少ない臼や杵は、
乾燥した状態で餅を搗くと衝撃で割れてしまう。特に臼は数日前から
水を入れて、木に水分を吸わせることで衝撃から守るそうだ。
ハツキネモチ四升、搗き立てを手早くちぎり、一口サイズにまとめる。
お雑煮、炊きたてのつぶあん、納豆餅、いくら膾と4種類の味が振舞われた。
(この記事を書いた人 宮城県仙台市の若栁誉美さん)