それは、18の春だった。
田舎の進学校から都会に行った僕が、彼女と出逢ったのは。
同郷の先輩・後輩が集まる懇親会で、部活の先輩が案内してくれた一団の中に、その人はいた。
伏し目がちな眼差しと、かすかに漂う微笑みがとても印象的だった。
今思えば、初めて逢った瞬間に好きになってしまったんだ。
先輩達が2次会に行くような話しを聞いても、おどおどするだけの田舎者の僕は、参加を言い出せなかった。
これじゃ、彼女にもう逢えないぞ!
共学なのに男子クラス、同級生よりも部活の先輩・後輩の女子と話す機会が多かったほどの僕にとって、最大の勇気と知恵を振り絞った行動を起こす時だった。
『あのぉ、映画とかお好きですか?』
『うん』
『まだ、地理とかよくわからないので、よかったら今度一緒に行きませんか?』
『はい、いいですよ』
華奢な身体つきに似合う、か細い彼女の声がじーんと心に響いてきた。
こうして、彼女の連絡先を手に入れた僕は、意気揚々と帰途に着くのであった。
僕の初恋が、始まりを迎えた時だった。
~つづく