キウイ
キウイフルーツ(英: kiwifruit)は、マタタビ科マタタビ属の雌雄異株の落葉蔓性植物の果実である。また、マタタビ属のActinidia deliciosaを指して特にキウイフルーツとも呼ぶ。
商業での歴史は浅く、1906年にニュージーランドが新しい果樹のキウイフルーツとして、中国原産のActinidia deliciosaやActinidia chinensisの品種改良に成功、1934年頃から商業栽培を開始し、世界各国で食べられるようになった果物である。
「キウイフルーツ」という名称は、ニュージーランドからアメリカ合衆国へ輸出されるようになった際、ニュージーランドのシンボルである鳥の「キーウィ (kiwi)」に因んで1959年に命名された(果実と鳥の見た目の類似性から命名された訳ではない)。カタカナでは「キーウィーフルーツ」「キーウィフルーツ」「キウィフルーツ」などの表記も使用される。
日本へは1965年頃にアメリカ合衆国から果菜(ベジタブルフルーツ)の一種として輸入され出回るようになった。また、日本でも栽培や独自品種の開発が行われており、花期は5月頃。耐寒性があり冬期の最低気温−10℃程度の地域でも栽培が可能である。産地は温帯から亜熱帯で、熱帯果実ではない。
Actinidia deliciosa の最も一般的な栽培品種であるヘイワード種の果実は、鶏卵程度の大きさを持つ楕円体で、皮が茶色く毛状の繊維に覆われている。この植物および果実自体もキウイ(またはキーウィー、キーウィ、キウィ)と略して呼ばれる場合がある。マタタビに近縁であることから、幼木や若葉はネコ害を受けることもある。
その他のマタタビ属の近縁種も「キウイ」という名称を利用して流通している。例: オニマタタビ(A. chinensis、ゴールドキウイ、ゴールデンキウイ)、サルナシ(A. arguta、ベビーキウイ、ミニキウイ)、シマサルナシ(A. rufa、ミニキウイ)など。
日本での商業栽培は温州ミカンなど柑橘類の余剰対策の転作作物として始まった。
専門知識がなくても比較的簡単に栽培ができ、苗は一般向けにホームセンターなどの園芸コーナーで容易に入手できる。雄雌を1株ずつ植え、藤棚を使い蔓(ツル)を上手くはわせて栽培すれば、10月から11月頃には果実が収穫できる。よく成長した株の場合、一株から約1000個もの収穫を得ることもしばしばであるが、大量の結実は糖度が下がり酸が増加することで食味を低下させてしまう。表年・裏年もあるので、人工授粉と実の大きさがピンポン球大の頃に、摘果を行うことが望ましい。収穫後は30 - 60日程度の追熟をさせると食べられる。