ワニさん、ワニさん、
私たちうさぎとワニさんたちと
どっちが数が多いと思う?

わたしらのほうが多いに決まってるさ!
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それなら数えてみるから
ワニさんの仲間を集めてちょうだい!
すると、ワニさんは仲間を集めて、一列に並べました。
その数の多いこと、多いこと!!
隠岐の島から遠い因幡の海岸までずらっと並ぶほどでした。
私はしめしめと思いながら、ワニさんの背中の上を飛び跳ねて

と数えていきました。
そうしていよいよ因幡の海岸に着く、という時に、私は
思わず言ってしまったのです。


すると、それを聞いて怒ったワニに、私は皮を剥がれて
しまったのです。
それから、私が痛くて泣いているところに、先程神様たちが通りかかられ、
海水につかって乾かすように言われたので、そのとおりにしたところ、
ますます痛くなって泣いていたのです。

そうだったのか。。
それなら、真水で体を洗い、蒲の穂にくるまって
寝ころび、休むといい。


そうすると、うさぎの体から毛がはえはじめ、すっかり元の
白うさぎに戻りました。
大黒さまはうさぎに嘘をつくことはいけないことだと教え、うさぎは
深く反省をしました。

その後、大黒さまは随分遅れて因幡の国のお姫様のもとに
着かれましたが、お姫様が求められたのは、先に着いていた
兄弟たちではなく、大黒さまでした。
おしまい

このお話は、出雲地方に古くから伝わる神話です。
島根県出雲市にある、縁結びの神様がまつられていることで
知られている出雲大社には、大黒さまとうさぎの銅像が
ありますが、この出雲大社の主祭神が大黒さま、つまり
大国主命(オオクニヌシノミコト)です。
10月は昔から「神無月」と呼ばれていますが、それは
全国の神様が10月に出雲の地に集結され、神様が留守と
なってしまうことからついた呼び名です。
しかし、神様が大集合する出雲地方だけは、10月を
「神在月(かみありづき)」と呼んでいます。
9月20日 因幡の白うさぎ
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