ケイトウ
(鶏頭、鶏冠、学名:Celosia argentea) はヒユ科の一年生植物。学名は燃焼という意味のギリシャ語に由来する。ケイトウの花が燃え盛る炎を彷彿とさせるのが根拠と思われる。
狭義にはC. argentea f. cristata(シノニムC. argentea var. cristata)をいう。本記事では特に断らない限りC. argentea をケイトウということにする。
夏から秋にかけ、赤・桃色・黄色などの花穂ができる。その形状がニワトリの鶏冠(とさか)に似ていることからこの名がついた。花期は5月から10月頃。10月9日の誕生花で花言葉は華燭。
原産地はアジア、アフリカの熱帯地方と推定され、日本には奈良時代に中国を経由して渡来した。かつては韓藍(カラアイ)と呼ばれていた。花の色は赤や黄色を基調とするが、橙、紫、ピンクなどさまざまな色の園芸品種がある。栽培にあたっては移植を嫌うので直蒔きする。種は嫌光性で、日光の当る場所では発芽しない。アルカリ性の土壌を好み、栽培は簡単である。
花穂の形状の異なる羽毛ケイトウ、久留米ケイトウ、トサカケイトウなどの系統がある。ヤリゲイトウでは尖っている。
花と葉はアフリカと東南アジアで食用とされている。日本でも食用植物として栽培されていた時期がある。朝鮮では穂粒を豚の餌にしている。根や茎は干した後にいぶしてネズミ除けに用いられる。
日本では室町時代に狩野派の画家狩野永徳が鶏頭を描いている。
ニワトリのトサカに似ていることから「鶏頭」と呼ばれ、花房の先端が平たく帯状や扇状に大きく広がり、よく目立つのが特徴である。
また、猛暑に強く、咲くと花持ちがとても良く、5月から10月頃まで咲く。
ケイトウを含む、セロシア属(Celosia)の植物は、アジア、アフリカ、アメリカの熱帯から亜熱帯に30~60種ほどが分布するが、栽培されるのはこのなかの一種のクリスタータ(C.cristata)やアルゲンテア(C.argentea)とその変種がほとんどである。
タネの発芽適温は20~30℃で、4月下旬以降から8月ごろまでタネまきができる。日なたと水はけの良い用土を好み、真夏の炎天下でも咲き続ける。
ケイトウは根をいじられるのに弱く、根が切れると発育不良をおこしてしまうため、植え替えの時には注意が必要である。また、蒸れも苦手である。
ケイトウは一年草であり、一年で枯れてしまう。そのため、種まきで増やすのが一般的である。
相対的短日性の植物のため、遅くまくほど草丈が低く開花する。生育の適温は15~30℃である。品種によって、草丈や株張り、分枝の程度がかなり異なる。