アヤメ
(菖蒲、文目、綾目、学名:Iris sanguinea)は、アヤメ科アヤメ属の多年草である。病気を治す薬としても使われる。
アヤメの多くが山野の草地に自生しており、他のアヤメ属の種であるノハナショウブやカキツバタのように湿地に生えることは、まれである。葉は直立し、高さ40-60cm程度。5月頃に径8cmほどの紺色の花を1-3個付ける。外花被片(前面に垂れ下がった花びら)には網目模様があるのが特徴で、本種の和名の元になる。花茎は分岐しない。北海道から九州まで分布する。
アヤメ類の総称として、厳密なアヤメ以外の種別にあたる、ハナショウブやカキツバタを含めて、アヤメと呼称する習慣が一般的に広まっている(施設名、創作物など)。特にハナショウブの別名は「はなあやめ」と呼ばれているため、アヤメと呼んでも間違いには当たらない。
古くはショウブ科のショウブを「アヤメグサ」と指した時代もあった。
花札では5月の絵柄として、「菖蒲に八橋」、「菖蒲に短冊」、カス2枚が描かれる。
この花の形にちなんだ菖蒲紋は日本では家紋や社寺の紋にも使用されている。上流公家の花山院家の家紋や三峯神社神紋、浄土真宗真宗出雲路派本山の毫摂寺の寺紋の菖蒲菱。難波神社神紋の抱き菖蒲が代表格である。