ヘレボルス 
(学名: Helleborus)は、キンポウゲ科クリスマスローズ属に分類される植物の総称。ヘレボラスともいう。「クリスマスローズ」という呼称は、クリスマスのころに開花するヘレボルス・ニゲル (Helleborus niger) だけを指した呼称であるが、日本の園芸市場では、「レンテンローズ」と呼ばれるヘレボルス・オリエンタリス (Helleborus orientalis、ハルザキクリスマスローズ) なども「クリスマスローズ」の名前で出回る。別名雪起こし、寒芍薬(カンシャクヤク)の和名も持つ。
花に見える部分は、植物学上では「花」ではなく「萼片」という部分である。そのため、鑑賞期間が比較的長い。ただし、本来の花弁も蜜腺として残り、これが大きく発達したものを選別した品種もある。多くの品種は、クリスマスのころではなく、春に開花する。
夏は休眠状態となり、根は活動を休止し、呼吸しているだけの状態となる。
種は20~22種あり、チベタヌス (Helleborus thibetanus) が中国の四川省・甘粛省・湖北省・陝西省にかけて隔離分布しているのを除けば、他の原種の全てが、ヨーロッパからトルコ、シリア、ジョージアに自生している。
第一次神聖戦争キラ包囲戦(B.C.550)において、デルポイと隣国同盟はキラの水源にヘレボルスを投入し、キラ住民の殆どが重度の下痢を発症。隣国同盟はキラを無抵抗のうえ占拠した。
20世紀後半の品種改良は、主にイギリスでヘレン・バラードやエリザベス・ストラングマンによって進められた。「クリスマスローズ」という呼称も、「イギリスのクリスマス」に開花するという意味である。
種により成分は異なるが、ジギタリスに似て強心配糖体ヘレブリンなどの毒を葉・根茎に含む。むかしは民間で強心剤・下剤・堕胎薬などとして使われた。摂取すると、嘔吐、腹痛、下痢、けいれん、呼吸麻痺、めまい、精神錯乱、心拍数の低下、心停止などをひき起こす。また、目や口・のどなどの粘膜がただれたり腫れあがったりする。