弟ユニコーンの黄金の角の周りの蛍光色の緑の光は、乙橘の笛の音に合わせパチパチと音を立てだんだんひとつの玉に集まりだした。
そして角の先端に雷の大きな塊が出来た。
「雷鳴の光球!!!」
巨大な雷の球が死神ベラを襲った。
死神ベラはとっさに両手の死神の鎌を自分の前でクロスさせた。
ドドド・・・ドドーン
地響きをたてて、雷の球は死神の鎌に当たった。
そして死神の鎌に防がれたものの、二本の死神の鎌にひびをいれた。
「うぬぬぬ。これでは戦えないわ。勝負はお預けよ。」
死神ベラは次元障壁の扉を開くと、中に消えた。
わむたん達は、両親と兄を地面に埋めると、木で作った十字架を挿し暗闇草の花輪をそこに掛けた。
「僕の名前は、ロロ。・・・パパとママとお兄ちゃん死んじゃった・・・。」
弟ユニコーンは乙橘に顔を埋めて泣いている。
「・・・でもパパとママがしっかり生きろって言ったの。お兄ちゃんは僕を守ってくれた・・・。」
「僕、おねえちゃんと行く。そして、死神ベラを倒す。」
「うん。」
乙橘はうなずくと、ロロを優しく抱きしめた。
「こうなると、お師匠さまの向かった七色珊瑚の海の方が心配だ。ご無事だと良いのだが。今日はこの森で一泊し明日の朝出発しましょう。」
(お願い:この作品はポプラ社小説大賞応募予定作品につき、作品の模倣、一部の複写等の行為はご容赦ください。☆一部名称等ニフティに帰属する部分は投稿時に変更することとする。☆この作品の著作権はわむたんに帰属します。)