黒い固まりはだんだんこちらに近づいてくる。
その黒い固まりからなにか触手のようなものがいっぱい出ている。
「あれは!?・・・」
目を凝らして見た長老はぎょっとした。
「蛇だ!!!」
黒い固まりからにょろにょろでている触手に見えたものは無数の蛇だった。
「おじいちゃん、恐いよ。」
クーは、両親が四目鮫に殺された時を思い出し、しがみついた。
「長老さま、俺達が見てきます。」
そう言うと、ボセイドン族の若者達が勇敢に泳ぎだした。
若者達が近くまで行くと、黒い固まりから無数の蛇が飛び出してきた。
そして黒い固まりの中から蛇女が現れた。
「シュッシュッシュッ・・・」
先が二つに割れた舌をしきりに出している。
「黄金の鰭を持つポセイドンはどこだ!!!」
「おとなしく差し出せ!!!」
「シュッーーーー」
「何者だ!!!」
「クーは、長老さまの孫娘。お前には渡さないぞ。」
そう言うと、若者達は体当たりせんと蛇女の周りをぐるぐる回りだした。
「このスネークコブラさまにはむかうのかえ。」
「ひっひっひっ・・・」
「やっておしまい。」
スネークコブラがそう叫ぶと、スネークコブラの周りにいる蛇達がいっせいに毒を吐きだした。
周りに居た若者に毒がかかった。
「うわっっっ・・・」
若者はもがき苦しむと、だんだん小さくなっていき、石の塊になった。
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