「わむたんさん、ごめんなさい・・・」
チルは祈るような格好をして猫耳を震わせ目から大粒の涙を流している。
「これでお友達のミャウの命は助けてくれるんでしょうね?」
「ゲホゲホ・・・この処刑人ボッチさまに従うなら助けてやろう・・・ゲボゲボ・・・」
「こっちに来るのだ。」
処刑人ボッチは奥の格子状の扉を開けるとチルを手招きした。
チルがその中に入ると処刑人ボッチは扉の錠をおろした。
奥の方の牢の中に鎖に繋がれた黒い体の猫耳族の娘が居た。
「ミャウ!大丈夫?!」
「チル!助けに来てくれたのね。」
「うん。でもわむたんさん達を裏切ってしまったの・・・。」
「・・・チル・・・ごめんね・・・。」
処刑人ボッチは、ミャウの居る奥の牢の中に入った。
「ゲホゲホ・・・さてと、そろそろその体の毛皮を頂こうか。黒い毛皮より白い毛皮の方が高く売れるのだが、まあいいだろ。」
「!!!」
「わむたんさん達を連れてくれば、ミャウを放してくれるって言ったじゃない!」
「ゲホゲホ・・・猫耳族の毛皮を剥いで売るのが俺さまの商売だ。」
処刑人ボッチは無情のカナヅチと無情のナイフを取り出した。
「毛皮はな、傷をつけちまうと高く売れないのさ。この無情のカナヅチで撲殺してから無情のナイフで毛皮を剥ぐのさ。・・・ゲホゲホ」
処刑人ボッチは無情のカナヅチを構えミャウに近づいていった。
(お願い:この作品はポプラ社小説大賞応募予定作品につき、作品の模倣、一部の複写等の行為はご容赦ください。☆一部名称等ニフティに帰属する部分は投稿時に変更することとする。☆この作品の著作権はわむたんに帰属します。)