家の中はプチ惨事。
とりあえず繰り返された余震がおさまったので、
やっとほっとして晩ご飯の支度をはじめました。
お風呂もためて、水も当座の分は用意しました。
うちのほうは電車が動いていません。(都心は復旧開始)
帰宅困難のひとを大量にかかえた東京は、不気味にひっそりとしています。
電話もメールも使えず、家族の安否がわからず不安なのに、
NTTの災害ダイヤルは使えません。
多くの友人が住む03地域は被災地ではないそうです。
父の電話がやっとつながったのが19時前。
母が世田谷で立ち往生していると言います。
兄(川崎)も無事。
全国の友人たちにメールを出し、次々返信がくるなか、
都内の友人たちとは連絡がとれません。
こんなに近いのに。しょっちゅう会っているのに。
茨城の友人も反応ありません。
一人暮らしの大学生、実家は北海道、家族と連絡はとれたでしょうか。
家の中のかたづけをしたり、家族の安否の不安をかかえていたり、
PC前にすわっていられるような状況じゃないひとたちがいる一方、
MILUではのんびり運営のイベント告知が流れていました。
何度も電話をかけようとじたばたしていたところ、
携帯電話がなりました。
数字が表示されていて、誰だかわかりません。
が、友人たちの誰かかもしれない、ととびつきました。
知らない男性の声でした。
あわてていて番号を間違ったのでしょうか?
混線して違う番号のわたしにかかったのでしょうか?
だったら急いで切ってあげないといけません。
わたしは焦りましたが、相手はわりとのんびりしています。
「あの、番号かえてない? いままで1回もかえてない?」
「かえていません。どなたですか?」
「あー。えーと……」
「どのようなご用件ですか?」
「あの…S○○って覚えている?]
一瞬お店の名前かなにかだと思いました。
相手はわたし宛にかけてきたということで間違いないようです。
なんだろう……。なんだっけ?
3秒。
「S○○!?」
オンラインゲームFF 11をやっていたときのギルドマスターでした。
わかれの挨拶すらせずに引退してしまったわたしなのに、
心配して連絡をしてきてくれたのです。
引退してからは一切連絡をとっていませんでした。
仕事中にあちこち連絡しているということで、
そんなに話せませんでしたが、
ちょっとだけ近況を聞けました。
S「まだ(FF)やってるの?」
私「ううん、とっくにやめたよ。Sより先じゃないかなあ?」
S「そうなん。もう3年か4年になるかぁ」
私「いくつになったの?」
S「25」
私「うはw あのころきみは19歳だったよ。成人式行ったって言ってた」
S「うわ……こどもだったなあ」
19歳を「若い」と言わずに「こども」と言い切る彼は
しっかりおとなになっていました。
ゲームで2年ほど一緒に遊んだ、見も知らぬひとを、
5年近くも連絡とらなかったひとを、気遣うほどに。
不安で波だっていたこころが、彼のあかるい
やわらかな声で、しずかに凪いでいくようでした。