犬には、過去も未来もありません。
ただ、今だけを見つめています。
被虐待犬などは、苦しめられた過去にトラウマを持つこともありますが、
「それはもう終わったことで、今のキミには関係ない」と理解させれば、
前に向いて歩き始めます。
どんなに大きな病気を背負っていようとも、
仮に人間のミスで犬に障がいを負わせてしまうようなことがあろうとも、
犬は誰かを恨んだりはせず、自らを哀れむこともしません。
その時々の自分のコンディションが、犬にとってはすべてであり、
「あのとき、ああすれば」なんて、思考回路自体が存在し得ないのです。
「若い頃はよかった」なんて呟きません。
よたよたしながら、不自由さを含めた日々を楽しみます。
将来健康に不安があるだとか、飼い主に捨てられたらどうしようとか、
そんなこと考えてもいません。
だって犬には、明日なんて概念ないんだもん。
わたしは不十分な飼い主であるかもしれませんけれども、
犬はその不十分さも込みで、常にベストだと受け入れます。
犬は、ありのままの人が好きです。
粗相をした犬に冷たくした10日前のことは、すぐにリセットされています。
わたしの瑕疵を責め続けることなんかなくて、懺悔の念を持つ飼い主を心配してくれて、
「オレは大丈夫だから、元気だしなよ?」と、顔を舐め散らかしてくれるのです。
そんなわけで、わたしは犬が好きなんです。
犬との暮らしは、面倒も多いけれど、それ以上に日々癒やされていて、
ギブアンドテイクでいえば、テイクが圧倒的に多いのです。