「ぎゃぎゃぎゃぎゃ・・・おい!こっちに来い!」
奴隷商人ギャザはニンフの娘の髪を荒々しくつかんで顔を上に向けさせた。
「顔をよく見せろ。肌が緑色だが綺麗な顔をしてるじゃないか。今日から俺様をご主人様と呼ぶんだぞ!」
その時ニンフの娘の服の襟元に隠れていた鳥が奴隷商人ギャザの髪をつかんでいる手をつついた。
「いててて・・・こんちくしょう!何をしやがる!」
怒った奴隷商人ギャザは、切り裂きの鞭を取り出した。
「ピッピ!」
ニンフの娘は鳥をかばってうずくまった。
「そいつを渡すんだ!焼いて俺様が食ってやる!」
「私のたったひとりのお友達なんです。許してください。」
ニンフの娘は懇願した。
「こんちくしょうめ!俺様に逆らうのか!」
奴隷商人ギャザは切り裂きの鞭を振り下ろした。
・・・パシッ・・・
切り裂きの鞭はうなりをあげてニンフの娘の服の背中を切り裂いた。
背中から血が噴出した。
「・・・お許しを・・・」
「早く渡すんだ!」
奴隷商人ギャザはニンフの娘の頭を足で踏んづけた。
そして切り裂きの鞭を更に激しく振り下ろそうとした。
その時、誰かが奴隷商人ギャザの手をつかんだ。
「お前は魔騎士ベルメルクスじゃねえか。」
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