昨日、ピカピカの初心者マークのビギさんから聞かれました。
「つんつこさん、羽はどこで買えますか?」
私がその質問に答えると、ビギさんはこう続けました。
「羽が欲しいんです」
「羽があれば、どこにでも飛んでいけるんですよね?つんつこさん」
私は一瞬、どう答えるべきなのかわからず、言葉に詰まってしまいました。
「羽があっても飛べないのよ」
「この世界では、羽は飛ぶための道具じゃないの」
「成長を早めるための道具なの」
とすぐに答えることが、私にはできなかったのです。
思えば、私がこの世界に来た時、一番最初に私の目を奪ったのは色とりどりの
美しい「羽」でした。
大きい羽、小さい羽、宝石箱をひっくり返して作ったような輝く羽、黄色い羽、
青い羽、お花畑のような羽、金糸銀糸を紡いで作り上げられたような羽。。。
私は、ため息が出るほど美しい羽を目の当たりにして、
「なんて綺麗なんだろう」
「私も綺麗な羽を手に入れて優雅に空を飛びたい」
と思ったものです。
しかし、羽があっても飛べないことを知るのに時間はかかりませんでした。
飛べないことを知った時私はとてもがっかりしましたが、いつしかそんな気持ちを
抱いたことも忘れ日々が過ぎていきました。
しかしつい2週間ほど前、高台からの眺めを楽しんでいた時、ふと羽があるのに
飛べない空しさが胸に湧き上がってきたのです。
やはり「大空を飛びたい」という願望は、自力で飛ぶことのできない私たちの
DNAに刻み込まれているのでしょう。
そして昨日交わしたビギさんとの会話で、私は自分の中にある願望を再認識
しました。
いつか、綺麗な羽をはばたかせて空を飛びたいな。。
はるか眼下におもちゃのようなくじら村を見下ろしながら、
沈まぬ太陽のまぶしさに目を細めながら、いつかこの空を飛びたい。
そんな夢がいつか実現しますように。。