オトナが出会えるオンラインゲーム! 『MILU(ミル)』 新規会員登録
MILU日記一覧
トップ > MILU日記 > スリープマスター
0

シェアボタンに関して


ゲーム内でF8ボタンをクリックするとアバタ撮影できます
Lv 19
(4)
最終ログイン 2日以上前
 
BuriareosuのMILU日記
タイトル スリープマスター   おすすめ(2) 2012-02-20 09:08:40

スリープマスター 

 

 

救急で運ばれる患者が生死の境をさ迷うとき、

私の主な仕事は家族に的確な状況説明をすることと、

理解を求めながら、家族ケアをも行なう事にある。

 

 切迫した状況下の中、多くの者が状況を理解できなくなる。

 処置を行なう医療スタッフ以外に、何を行なっているか、

何が行なわれるか説明する。

 

 冷静で無くなる者、暴れるモノ、消沈するモノそれらを

誠意を持ってコントロールする。

 

医者や看護婦などの現場スタッフで無いからこそ、

出来ることも多い。

 

この日、救急で運ばれた患者の手術をモニター室で

家族に説明しながら、私は違和感を感じていた。

モニターが落ち着かない。。。

 

 麻酔科医。。。。。

 

 「・…」

 

 「 ブリオ先生。私、麻酔科医になった事で患者さん達と接する機会が

   ほとんど無くて(笑)。医者よりも忙しい貴方が、うらやましいですよ。 」

 

 「 手術の多い麻酔科医はそうなるのですね。でもその存在に皆、

安心だと言っていますよ(笑)。スリープマスターのおかげでいつも

安定したオペが出来ると、 皆、言っています(笑) 」

 

 こんな会話をしたことを思い出す。

 

  麻酔科医は全国でも数が少ない。医者ならば皆、

  麻酔を操る事を許可もされている。

  麻酔科医がいなくても手術を行なう事は出来るのである。

 

 「 先生はいつもモニターを見ていませんよね。。・・・」

 

 「 ハイ。患者を見ているのです。外科医の手の動きを見て、

   出血の量を見て、患者の顔を見ているのです。     」

 

 「 なるほど。。。さすがスリープマスター。でも、覚醒した患者と

   接する事だけが、コミュニケーションではありませんよね。

   

   手術の多い所にはそれに適した接し方があります。医師としての

ポリシーが変わらなければ良いのではないでしょうか。

 

ところで、秘伝を伝授しますが、どうしますか?(笑) 」

 

私は映画で見た1シーンを思い出し、その事を彼に伝えた。

それが「偽善」の象徴であろうとも、「自己満足」といわれようとも、

彼にとって「壁」を抜け出すきっかけになってくれれば、

そう思い一例を語ってみたのだが。。

 

この日は、スリープマスターも、てこずっているようだった。

麻酔の微妙なコントロールで手術後に起きれず、亡くなる方もいるのだ。

慎重に行なってほしい。私は、願うように家族に説明を続けていた。

 

すると、麻酔科医はモニターの安定しない患者の耳元で

言葉をかけ始めた。そう、眠ってしまっている患者の耳に・・・

 

 「 大丈夫。君は助かるよ。手術も順調に進んでいるよ。

君のお母さんも無事にベットで横になっているよ。

苦しく無いように僕が君を眠らせているんだよ。

安心して良いよ。もうじき縫合だからね。

終わったらゆっくり、目がさめるようにしてあげるからね。 」

 

それは、まったく、意味の無い行動であった。しかし、

オペ室内は温かい空気に包まれ、モニター室にいた私は

それ以上の言葉を使って、家族に対する説明を要しなかった。

 

「 賛否両論でしたね。上手くいったから良かったのですが・・」

 

「 良いじゃないですか。もうやらないのですか?」

 

「 いえ。わざとらしさが、たまらなく気持ちよく感じました。(笑)

 ブリオ先生の丁寧口調も良い人を演じているのですね。     」

 

 「 ・・・・  」

 

                           ブリアレオス

 

 

カテゴリ:その他 > その他
コメント(2)
アンル 2012-02-20 23:20:16  
私の親友の父親も、手術は上手くいったのに麻酔が効きすぎて亡くなったといいます。究極の選択!「腕が良いのに性格が悪い医者」「素晴らしい人物なのに不器用な医者」さぁ、どっちに見てもらうか!と言う意地悪な質
問されたことあります。私は、この「スリープマスター」さんに見てもらいたいと思いました。
ベルいちご 2012-02-21 19:07:06  
「覚醒した患者と接するだけが、コミュニケーションではない」とても大事ですよね^^
医療の現場では、働いたことはないですが、利用者さんと接する時、心掛けてケアしていました^^
眠っていても、自分の事をわからないかもしれないけど、人の体温・声は届くといつも信じています。
手術前に書く、同意書のサイン。希望・安心・信頼があるからこそ、サインできるんですよね。
コメント作成
0

シェアボタンに関して