知っていなきゃ困るフランス語講座。
フランスでは「はい」のことを「ウイ」といいます。英語の「イエス」ですね。
これは、特に血気盛んな若い人にこそ知っていてほしい言葉です。
フランス人はプライドが高いとか、よく聞きます。絶対に外国語を喋らないとか。
でも、それは、人によるものでしょう。
日本人でも、「日本にいるんだったら日本語しゃべらんかい!!」と手厳しい人は大勢います。
たまたま出会った人が、頑固者だったような気もします。あるいは、その人が、フランス人のカンに触る顔立ちだったのでしょう。
フランスの方もいい人で溢れています。
しかし、こうしたイメージを吹き込まれた日本人は、意地悪されそうと構えてフランスに乗り込む人も・・・。
ある青年の話です。
夜行でパリスへ向かう道中、コンパートメントでフランス人の若い青年に出会いました。がたいのいい、ホホを赤らめた青年です。
そのフランス青年はジャストフレンチなので、英語もドイツ語もからっきし。なんとか、お互い、たどたどしく会話をしようとするのですが、
日本人青年が話しかけると、
「ウィ、ウィ」とにこやかなに応答します。
日本人青年は、「こいつ、おちょくっとんのか!」と機嫌を悪くします。
それでも話しかけると、またも「ウィ、ウィ」と楽しそうに。
「こらー!!どつかれたいんか!!」と血気盛んな若者は切れるのです。
ケリを入れて、左腕の晒しをキュっと締め直し殴りかかります。
その瞬間に、みんなから抑えられるのですが、
「コノ野郎が俺のことをアホにしとんねん!ウィウィってしゃっくりの真似事しくさって。止めるんなら、お前らもどつくぞ!」と思いっきり日本語で。
冷静さを失い外国語なんか喋ってられるかい!です。
みんなから、散々、止められ説明を聞き、やっとフランス青年の気持ちよさを理解しました。
赤っ恥をかき、何度も謝り、パリのカフェでビールをおごることに。
ちなみに、その青年は今では仏と言われるほど気の長い温厚なおじさんです。
このおじさんだけじゃない。若い人なら、知らなきゃ絶対に陥る大失態なんです。
「ウィ」は覚えときましょう!!
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