類は友を呼ぶで私の周りはアホばかりで気楽です。
新潮の100冊なんか1冊でも知っていれば、「へぇ~!」と感心されます。
2冊なら、「お前、凄いなぁ」となり、3冊にもなれば、胸を張って、「お前らも本読まなあかんぞー!」と偉そうに言えるのです。
そのはずなのですが、私が初めて就職した会社では、ちと状況が違いました。
「新潮の100冊?ほとんど読んでいて当たり前でしょ?」と一つ上の先輩。
「少なくても3分の2は絶対条件でしょ!」
(えらい会社に就職したぞ!はよやめなあかん)と思うのです。
いつの間にやら、人が集まり、
「うんうん、当たり前」
「え~~!グラーツ君、夏目漱石も知らないの?」
となるのです。
「お~い、びっくり!!グラーツ君は・・・・・」と大声で叫ばれ、さらに人が寄る。
(あかん、あかん。このままじゃ、俺は虐めの対象になる)と思うのも、時すでに遅しです。
とにかく、粘質系のやからが多そうと気づくのが遅かった。
「待てよ!グラーツ君、趣味は読書って書いてなかったけ?」
「いや、それは、友達の中では読んでいた方だから、そう書けと言われて・・・」
なんだか小動物のように体が縮じこまって、声も裏返る。
すると、今度は履歴書を引っ張りだしてくるのです。
「得意な科目は数学。これ、本当なの?」
「点数計算を必要とするゲームが好きなので、」
「得意な語学はフィンランド語。絶対うそでしょ?」
「これから勉強します」
「好きな作家。芥川龍之介。何を読んだの?」
「名前知っているだけです」
うそばっかりじゃん!と全員が合唱するのです。
「おっ!もっと面白いところもあるよ」
と次から次から。
(こいつら、殺したろか!)と思いました。
まずは、腹を抱えて笑ている女社員から、4つに畳んで真っ二つにたたっきり、返す刀で辞表を投げつけ惨劇を演出したろか!と思っているところに助け舟でした。
入社してすぐに仲良くなった他部署の先輩が、
「暴れるときは言ってね。まずは俺に先殴らせて!」
入社して間もなく、私は社内一のアホとしてレッテルを貼られたのです。
今から思うと、こいつらはほんまに70冊以上も読んでいたのか?と疑問に思えてきます。
でも、おかげで、その後2年間で私は2000冊読破します。
新潮だろうが集英社だろうが角川だろうが、全部読んどかなあかんやろ~!
と油断して、それからはまるっきり読んでいません。
先日覗いてきた陳列では、もうほとんど知りません。
作家の名前すら分かりません。
まあ、こんなもんです。