『手袋をはく』 ー道産子は昔四つ足歩行だった?
北海道の冬の必須アイテム「手袋」。
寒い日にはマイナス20℃以上にもなる北海道の冬をしのぐには、手袋の存在は必要にして不可欠であります。
素手のまま戸外に10分もいれば、手がすっかりかじかんでしまって、言うことがきかなくなってしまうんです。
子供のころは、友達と下校中によく雪合戦をやって遊んだものですが、夢中になって戯れているうちに手袋がすっかり雪まみれになって、 気が付けばごわごわべちょべちょ状態に。
手袋を取ってしまった方がむしろ暖かいなんてことがよくありましたね。
小学校にあがるまでは、子供でも簡単に着脱できるようにと、親から「ぼっこ手袋」 なるものをあてがわれていた記憶があります。
「ぼっこ手袋」 とは指を入れる場所が親指とその他大勢の2カ所しかない、 台所にある「鍋つかみ」形式のあれです(「ミトン」と言うのだそう)。
シンプルと言えばシンプル。
かわいいと言えば確かにかわいい。
おまけに着脱が容易。
子供にとっては便利この上ない形状をしているのですが、 五本指の手袋と比較すると操作性の点では大違い。
そりゃそうだ、5本ある指が2本しか使えないんだもの。
小学校に上がる頃になってようやく手にした五本指の手袋。
いやあうれしかったなあ。
「五本指の手袋」をつけられるというただそれだけで、なんだかすごく大人になったような気分がしたものでした。
というわけで、幼い頃の思い出尽きない手袋の存在なのでありますが、近頃では北海道もすっかり車社会になってしまい、戸外を長時間歩くことなどめっきり少なくなってしまいました。
車通勤だと、手袋をはく必要性を感じることがほとんどないので、小生などは真冬でも手袋をはくことはめったにありません。
と、ここまで読んで、みなさん「おやっ?」と思いませんでした?
「手袋をはく?ハァ?」
ちょっと待って下さいよ。
「手袋」は「つける」とか「する」とか「はめる」とか言うんじゃないの?
確かに。
標準語では「手袋をはく」とは言いませんよね。
でも、道産子はほぼ100%と言って良いほど手袋は「はく」 って言うんです。
「うそだあ。履くってのはズボンや靴下みたいに下半身につけることを言うんでしょう。北海道じゃ手も足もいっしょくたなの?」
あはは、そ~~~なんです。川崎さん(古!)。
実はですね、道産子はその昔「四つ足歩行」だったんです。
二足歩行になったのは明治の初期。
それまで道産子はくまや羊のように四足歩行だったんですよ。
って、あはは、いやいや、ジョーダンはマイケルにして。^^;
まさか道産子のルーツが、四つ足歩行のケダモノだったなんてことはないでしょうが、そう言われても反論できないほど摩訶不思議な表現。
疑問を解決すべく、新明解国語辞典で調べて見たら、以下のように解説してありました。
は・く【はく】
[一]【履く】 足を保護する物を足先につける。「足袋を―/靴を―」
[二]【穿く】 下半身や手首から先を保護する物を身につける。「ズボンを―」
[三]【佩く】 〔雅〕武器を腰につける。「太刀を―」
[表記] [二] は「着く」とも書く。
な~んだ、[二]でちゃ~んと説明されているではありませんか。
「下半身や手首から先を保護する物を身につける」って。
「手袋を穿く」は、れっきとした標準語だったんですね~。
ああ、良かった~。
「 四つ足歩行説」が正しかったらどうしようかと思ってたんだけど。