~ 当直 ~
救急車の音がこだまし、段々と大きく広がる。
ウトウトする私の眠気は一瞬にして吹き飛んだ。
夜の当直もそろそろ慣れてきて 救急の音は
苦に感じなくなっていた。むしろ「バリッ」
と音をたて、私の心を張り詰めさせるようだ。
「 鳴るかな.... 」
呼び出されるか 否か。。。
私の専門であれば、救急到着の前に呼び出しがかかる
駆け出す私のポケットからは悲鳴のような、怯えのような
私を呼び、泣き叫ぶポケベル。押しつぶすように黙らせ、
ドクターの指示を待つ。
「 自殺だ! 頼むぞ! 」
指示はそれだけだった。
状況確認・現状確認・年齢。。etc。。。
わずか数十秒での判断。。。。
私の第一声の言葉は決まった。
「 死にたくなっちゃた? 」
ブリアレオス