昨日、淡水域でこれまたユニークな名前を持つ魚が釣れました。
その魚は「オヤニラミ」です。
このオヤニラミは、単独で行動をする、いわば、孤高の野武士のような魚で、群れない、媚びない、
喧嘩っ早いと、人間だったら世渡りにさぞかし苦労するだろうなぁ、なんてことを考えたりもする魚です。
オヤニラミはあまり美味しくない魚なので、ネコマタギと呼ばれることもあります。
ネコマタギとは、ご存知の方もいらっしゃると思いますが、「魚好きな猫もまたいで通る魚」という
意味ですが、幸か不幸か、オヤニラミも、ネコマタギの仲間だということです。
そんなオヤニラミですが、オスは、メスが産んだ卵の世話をこまめに一生懸命することで知られて
います。また、観賞魚としても人気があり、かわいがるとなつく魚です。
さて、このオヤニラミというユニークな名前の由来は諸説あります。
その中で最もこの魚の特性を捉えている説が、「親魚が卵を守るために睨みをきかせる」というものです。
先程も書いたように、オヤニラミのオスには、甲斐甲斐しくメスが産んだ卵の世話をする習性があり、
その一生懸命世話をするさまが、周囲に注意を払いつつ睨みをきかせているように見える、ということで
この名前がついた、という訳ですね。
愛情深いオヤニラミの特性をうまく表現している説で、こういう話を聞くと、この魚の名前にとことん愛着が
沸いてきて、えらく可愛らしい魚だと思えてくるのは私だけでしょうか。
この魚も、絶滅が危惧されている魚の一つです。
淡水魚の中には、絶滅が懸念されている魚が少なくありません。
環境の悪化が最大の原因ですが、外来種の問題も見過ごすことはできません。
オヤニラミには、これからも川の中で自分のかわいい子供を守るために睨みをきかせて欲しいものです。
この、不器用だけど愛情深い魚がいつまでも元気に泳ぎまわれますように。
そのためにできること、しなければならないことを、私たちは責任を持って必ずやらなければならない
ですね。
